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しかし、各章の終わりに膨大な数の参考文献が列挙されているが、犬神人、散所法師、白拍子と言った語句の説明は無く、参考文献を読んでいることを前提に話を進めてしまうような箇所があるので、本書を読むにはある程度の予備知識を必要とする。また、1976〜1993年の間に発表された論文や書評をまとめたものなので、重複が目立ち、散漫な印象も受ける。
幕末・明治維新期の日本の政治的激動、また当時の日本人の日常が外国人の視点から至極客観的に描かれていてとても興味深い。しかし私が最も感銘を受けたのは、当時の日本に接近していた西洋列国の相互関係のやり取りに関する記述である。大君政府に深く肩入れしすぎ影響力をすぼめていったフランス・ロッシュ公使と、特定政府との関係ではなく日本全体を相手取って「局外中立」を堅持し、結果的に新政府と最も良好な関係を築いたイギリス・オールコック卿とハリー卿。イギリスの憎らしくなるほどの老練な外交手腕に思わず深く感じ入ってしまう。世界に架ける「自由貿易」によって国を富まそうとするイギリスは、内戦に深入りすることを好まず、それゆえに急速に推移する権力配分を大局的に掴むことができ、大君政府の没落、朝廷・西南諸藩の台頭を他国に先駆けて感じ取ることが可能だったのである。
ホテルやレストランやおしゃれな雑貨が美しく撮られていて、ページをめくるたび、うっとりしてしまいます。この雑誌は、旅行ガイドというより写真集と言った方が適切ではないでしょうか?
クレアからは「エネルギッシュな北京」「スタイリッシュな上海」というイメージが強く伝わってきますが、それは両都市の一面であって、全てではありませんので、実際旅行に行かれる方は現実的な両都市を知るために、一般的な旅行ガイドもクレアと併せて読むことをお勧めします。
最近では島唄や泡盛、沖繩料理がポピュラーになりましたが、断片的なイメージと知識しかありません。そんな私には、この本はとてもわかりやすく、短時間で、沖繩通史の概観と文化のコアについてより具体的なイメージと知識を与えてくれました。本を選ぶ際、沖繩だけに、沖縄の人か、国際的な視点でものを考えられる人のものという基準で三冊選びましたが、これはそのうちの一冊。陳さんは神戸生まれ、台湾系の華僑で、大作家ですが、中国側の資料も使いながら中国と縁の深かった沖繩の歴史をガイドしてくれます。明治時代の琉球処分、それ以前の秀吉の時代に始まる薩摩の琉球支配、仲介貿易でもっとも繁栄した明の時代(15世紀)、地勢的に日本と中国の2国に両属するしかなかった沖繩。
この本を読むと、沖繩の人の帰属意識は16世紀頃までは日本より中国の方が強かったようですね。久米村が中国からの帰化人の島ということも初めて知りました。「ニライカナイ」という沖繩古来の信仰も言葉としてしかしりませんでしたが、簡単にいうと「幸せは海の向こうからやってくる」という信仰のようです。だから、沖繩の人は外からやってくる人に伝統的にやさしくもてなすんですね。豚肉料理がメインなのも中国文化の影響が大きいからです。とにかく、質が高く、わかりやすく、読みやすく、安い本です。お奨めします。
ただの情報本ではなく、じっくりと読める本だと思います。